趣旨(運動を始めた理由)

大本山妙心寺が開かれた650年前の社会世相と現代の社会世相とは、人 間不信という言葉でいい表わされているごとく、人々が孤立化しているとい う点において大変似ています。
このような時代に、人々の悩みを救済するため、花園法皇さまは、ご自分 の離宮を妙心寺となされ、無相大師さまをご開山さまに迎えられました。そ して、二祖微妙大師さまにと報恩謝徳の御心は伝わっていったのであります。
この報恩謝徳の御心を社会に生かすことによって、人心の乱れを救い、人々 の生活が平安になりますようにと念じられたのであります。

このような、花園法皇さまの「報恩謝徳」の御心を常に忘れることなく、 社会に反映させて行くことが本山の信念であり、この心を家庭生活に生かす ことが信心なのであります。
この「報恩謝徳」の御心こそ「おかげさま」の心に他なりません。この言 葉は現在忘れられつつありますが、この言葉の持つ心こそ、私たちの生活の 中になくてはならない心であります。おかげさまの言葉が素直に出てくるよ うな社会こそ、私たちにとって、より良い花園となるのであります。
こうしたことを主眼としてこの運動が起ったのであります。